Nihon no / Spice lab vol.1 里山十帖×三条スパイス研究所 終了しました。
- 2016年07月9日
- 研究報告
Nihon no / Spice lab vol.1「里山十帖×三条スパイス研究所」が、無事に終了しました。ご参加頂きました皆様、ご協力頂きました皆様に感謝です。ありがとうございました。ご予約くださった20名のお客様にご来店頂き、7品のお料理とペアリングドリンクをご用意させていただきました。
当日は、所長伊藤シェフ、里山十帖北崎シェフ、佐藤マネージャーをはじめ、スパ研スタッフ、スパ研オーナー熊倉、サポートとしてこの日が定休日であった岩室温泉灯りの食邸KOKAJIYAから汐見シェフ率いるキッチンホールスタッフがお休み返上で勢ぞろいと気合の入ったメンバーで皆様をお迎え致しました。
当日のスナップを記憶のまだ残るうちに少しだけ載せておきます。本当に各自が色んなことを思ったり感じたりした今回の企画でしたが、そのことについてはまた後日、機会を作ってレポートさせていただきたいと思います。
また、当日はゲストとして、里山十帖のオーナーであり、雑誌自遊人クリエイティブディレクターの岩佐十良さんも現場に来てくださいました。
そして、取材してくださった編集、ブランドディレクターの吉澤さん、遅くまでありがとうございました。なんと、今回の晩餐会の模様は、9月号の雑誌「自遊人」さんにて掲載されることになりました!そちらもお楽しみに!
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さて、レポートです。準備は午後の取材撮影と同時進行でスタート。
魚沼からぞくぞくと届く食材やあしらえの数々。
活き鮎は届いた瞬間に調理スタート。氷水につけて、手早く作業します。
まさかこのスパ研キッチンで、鮎が調理されるとはオープン前には夢にも思いませんでした。ワクワク感が募ります。
会場もどんどん出来上がり、日常の風景がガラッと変わって行きます。
キッチンも選抜メンバーらしく手際の良い連携感と和やかな空気感ながらにいつもとは全く異なる緊張が走ります。
そして、いよいよスタートの時間。
スパ研ディレクター山倉より、本日の会の趣旨、そしてメニュー構成をご紹介させていただきながら会がスタート。
今回の「Nihon no…」。テーマは「日本の四季と旬の食材」です。7月上旬夏真っ盛りに一番美味しい旬の新潟食材と合わせるのは、日本の四季を季節ごとに丁寧に美味しさを閉じ込め作った伝統的な保存食材・・・
さあ、こちらが本日のメニューです。
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◯1の皿 旬×スパイス えだまめ
茹でえだまめ (スパイス塩/藻塩)
カーブドッチ スパークリング ブラン・ド・ブラン
◯2の皿 旬×スパイス 茄子 「茄子づくし」
・水茄子 和辛子とターメリックの漬物
・焼き茄子 焼きなす 和ハッカの香り
・巾着茄子 ふかしナス 魚醤とコリアンダーの香り
・十全茄子 ナスとトマトのサラダ キャラメリゼしたタマリンド和え
・丸茄子 ナスチャトニと香菜のチャパティ包み
八海山 純米吟醸 雪室貯蔵3年
◯3の皿 秋×スパイス きのこ
野菜の蒸し煮 冷製コリアンダー風味 干し柿と干し椎茸の出汁
カーブドッチ もぐら シャルドネ
◯4の皿 冬×スパイス 大根
のどぐろ酒蒸し/丸ナス揚げ浸し/干しかぶの汁あんかけ
鶴齢 越淡麗 無濾過生原酒
◯5の皿 春×スパイス 山菜
干しわらびのおひたしと妻有ポーク 桃のグリルタマリンドの酸味で
カーブドッチ Bijouピノ・ノワール
◯6の皿 夏×スパイス 岩牡蠣 梅干 鮎
岩牡蠣カレー/冷やし梅トマトカレー/タコと干し大根のコンフィー
活き鮎のビリヤニ
フェルミエ アルバリーニョバリッカ
◯7の皿 旬×スパイス 桃 西瓜
・桃のソルベ スターアニス風味
・豆乳羹と西瓜のシナモン黒蜜掛け
干し野菜とスパイスのスペシャルブレンドティー
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メニュー表は小さな封をした保存瓶の中に入れ、皆様にお配りさせていただきました。
スターターのスパイス枝豆、盛り合わせの茄子づくしから始まり、前菜、メインとお料理が進みます。
いよいよ〆めの一品、「活き鮎ビリヤニとカレー」の登場です。
岩牡蠣カレー/冷やし梅トマトカレー/干し大根とタコのコンフィー/活き鮎のビリヤニ
あたりは徐々に薄暗くなり、厨房内も良いリズムで動いています。いよいよメインイベントの時間です。
オーブンからいい香りがした瞬間、伊藤シェフから満面の笑みが溢れました。
その気持ちごと、お客様に即座に届ける為に、ダッチオーブンの蓋をしたままシェフたちが一斉にテーブル席へ。
こちらのシーンでは、スパ研のメニューのスタンスであるミクスチャースタイルで、ターリープレートの上で各料理を調合しながら楽しく召し上がっていただきました。
最後の甘味が出る頃にはあたりも真っ暗になり、建造物が暗がりに浮きあがりました。
少し離れると、スポットライトのあたった、まるで何かの劇場のよう。
確かにこの夜、この場所には日常ではありえないような一瞬の舞台があり、私たちは自分の方法で懸命にダンスを踊っていたようにも思います。
というわけで、カーテンコールです。
最後にお客様を玄関口でお見送りして、一瞬で会場を元に戻しました。
いつもの大テーブルにしつらえられた杉の枝だけが、この場所でこの夜起こった出来事をなんとなく思い出させてくれます。またこの日もこうしてえんがわの灯りが消えました。
さて。
これは開始前に取材用に撮った写真。
「ジャンプしてください!」という要望にお応えするにもこの異様な連帯感。開始直前のえも言われぬ緊張を払拭するように何度も何度もみんなで飛びました(笑)悩みも痛みも、不安もささやかな成功も分かち合い、反省も経験も感動も共有することの出来たような終始気持ちの良いチームワークはこの配役でなければなされなかったように思います。この危険多き冒険に、最後までご一緒してくださった北崎さん、佐藤さんには大きな感謝を。
と、いうわけで、
今回の研究はこれにて終了です。
貴重な経験。スパ研メンバーの私たちにとっても、
スパイスという名の新たな刺激と調合の時となりました。
ありがとうございました。
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さて。このNihon no / Spice labという企画ですが、これを第1回目のスタートとして、日本独特の文化の背景をもとに「スパイスという考え方」と掛け合わせる実験的な取り組みを、研究食堂の活動と並行し時折実施してまいります。
次の企画は9月を予定。現在目下企画中です。
次はどんな企画が待っているでしょうか。
またのご参加を、心よりお待ち致しております。